IoTの本命ベンチャー企業がついに日本上陸!
エイラネットワークスの橋本マネージャーに訊く
世界で認められたIoT向けPaaSの実力とは。 

  

米国シリコンバレーに本拠地を置くエイラネットワークス社(Ayla Networks)は IoT対応製品の開発を目指す製造業者(メーカー)向けに、プラットフォームを提供するビジネスを世界中で展開している。このPaaSビジネスは米国を中心に、中国、欧州、台湾などで展開中だが、いよいよ日本に本格的に上陸することになった。
 あらたに新横浜にオフィスを構えたエイラネットワークス社カントリーマネージャー(兼ストラテジックアカウントダイレクター)の橋本力也氏にインタビューをお願いした。
 
 
 
Ayla Networks社
日本ブランチカントリーマネージャー(兼ストラテジックアカウントダイレクター)
橋本力也氏(写真左)
ビジネスデベロップメント・ヴァイスプレジデント 
ビル・ポドラスキー氏(写真右)

 
まず、エイラネットワークス社のことを知らない日本の製造業のみなさんにどのようなサービスを行っているか説明していただきたいのですが。
 
【橋本氏】
 エイラネットワークス社はメーカーが開発販売する製品のIoT化を簡単に実現するプラットフォームを提供しています。お客様のIoT化に対する敷居を下げるソリューションではありますが、同時にエンタープライズ級のセキュリティ、信頼性、スケーラビリティを確保しています。
 イメージとしてまずお客様は弊社対応のマイコンやセンサー、WiFiモジュールなどを購入していただいてそれを組み込んだ製品を開発します。これらチップやモジュールは世界の多くのリーディングサプライヤーから既に販売されています。製品開発に並行してプラットフォーム上から各種の設定をすることで、IoT対応の製品を専門的な知識や制御ソフトの開発なしで短期間で世に出せる仕組みです。
 
なるほど、日本の製造業はIoTというとまだFAなど生産ラインを意識したものが多いですが、エイラネットワークスはプロダクツに絞っているのですね。製品開発という部分ではIoT化の恩恵を受けるターゲットが一般消費者ということになります。そのあたりを意識したキメの細かいサービスが求められると思いますがいかがでしょう?
 
【橋本氏】
 ひとつの例としてはスマホアプリ連動型のIoT製品を開発するプラットフォームが挙げられます。製造業の方々にとってはスマホアプリを開発するのはなかなか難しい。技術的なリソースやコスト的な面ももちろんですが、実はそれより大切なのがアプリの使い勝手です。昨今、多くの場合、アプリが製品の窓口となりつつあります。インターフェイスが悪いと、製品自体が使われずに失敗する可能性が高くなります。一般に製造業の方々にとってはここが一番弱い部分ではないでしょうか?
 我々はこの部分のお客様とのインターフェイスがいかにうまくいくか、たとえばユーザーレジストレーションや使い勝手の部分ですべてにおいてノウハウがございますのでそれを提供できるのが強みです。
 
こちらは基本的にはコーディングなしで開発できるというお話ですが、AWSのサービスを使用しているということは逆にコーディングしてカスタマイズにも対応できると言うことですね。
 
【橋本氏】
 はい、もちろん対応可能です。その場合にも弊社はRestfulAPIを採用しているので、非常にフレキシビリティが有り、容易に対応可能になっています。
 
その部分はオープンソースになっているんですか?
 
【橋本氏】
 オプションメニューで有償となります。ただこれを導入していただくことでスクラッチで開発するよりも劇的に開発期間を短縮することが可能なので、結果的にはコスト面でも有利ではないでしょうか。
 
具体的に海外ではどのような新しいアイディアの商品に使われているか教えてください
 
【橋本氏】
 目新しいところでは米国Owlet社のSmartSockが挙げられます。
 これは赤ちゃんの靴下にセンサーを組み込み、体温、血圧、血中酸素濃度、心拍数や寝てるか起きてるかなどをモニタリングできる製品です。今年のCESでも賞を獲得して話題となりました。
 また、米国Kiddle社のリモートリンクモニターはコンセントに差し込むだけで部屋の煙と一酸化炭素濃度をモニタリングし、異常が検知されるとスマホに警告が届きます。今までセキュリティ企業に頼っていた仕組みがわずか$100以下で実現できます。
 新しいアイディア製品とサービスの組み合わせで次々と面白いIoT製品が生まれています。
 
なるほど、おもしろいですね。そのような製品に採用されているエイラネットワークス社対応のセンサーやモジュールのラインナップはどこで調べられるのでしょうか?
 
【橋本氏】
 弊社のホームページ、現在はまだ日本語化対応はされていませんが(2017年日本語化対応予定)の右上のメニューアイコンからCompany>Partnerを選択していただくとパートナー企業の一覧が掲載されていますのでそこで村田製作所やルネサスなど対応するデバイスメーカーに問い合わせていただく形になります。
 
ベンチャー企業としてこれだけ短期間で成長されたのは、IoTのターンキーソリューションを提供しているということや、バックグラウンドにAWSを利用されていることもあると思うのですが、あともうひとつ、世界中の企業で受け入れられたのにはセキュリティが非常に堅牢であるという部分だと思いますがそのあたりのお話をぜひお伺いしたいのですが。
 
【橋本氏】
 まず特長的なのは、我々が"エージェント"と呼んでいるセキュリティ用の暗号化通信モジュールをあらゆる部分に組み込んでいるところです。アプリケーションレベルでもそうですし、チップと呼ばれるデバイスの部分でもそうですし、たとえば村田製作所さんのWiFiモジュールレベルにも組み込んでいます。もちろんクラウドはセキュリティレベルが非常に高いことで同様に評価されているamazonさんのAWSを利用しているので、いわば、すべて高い塀に囲まれている中でのIoTということで、中に入り込もうとしても入りようが無いように構築されています。
 じつは我々がスタートアップのときに最も多く出資していただいている企業のひとつがシスコシステムズ社なのです。
 つまり提携する上での条件としてコンシューマースキルズレベルではなく、常にシスコシステムズ社のエンタープライズレベルでのセキュリティ基準をしっかりと守らなければならないというルールが課せられているため、おのずとセキュリティ面では妥協ができない体制になっているわけです。
 
それはたしかに大きいですね。
次は少し難しい質問かもしれません。日本の製造業向けにIoTプラットフォームを提供する場合、興味はあるけどいったいどこにどのように使ったらいいかわからない...といった感じの企業がまだまだ多く、提案やアイディアレベルまでコミットしないと普及はなかなか難しいのではないか?と思うのですが、エイラネットワークスとしてマーケティング面でそのあたりをサポートするアイディアはありますか?
 
【橋本氏】
 なるほど難しい質問ですね。
 そうですね...我々が協業する上では製造業だけでなく、いろいろなサービスプロバイダ、携帯電話キャリアであったり、たとえば保険会社、特殊なデバイスを製造しているメーカーであったり、住宅メーカ、警備会社、ケーブルテレビ局であったりさまざまなサービスを付加価値として提供している企業も視野に入れています。
 ですので、製造業の方々が相談していただいた際にはたとえばこの企業のこういったサービスと提携されたらどうか?といった提案ならできるかもしれませんね。
また海外でのさまざまな事例を紹介することもできますので、具体的にどのように使っているかなどでイメージを膨らませていただくこともよいかもしれません。
 日本国内ではIoT化がなかなか進んでいないのが実情ですが、先ずはCloudやアプリと繋げてみることをお薦めします。その中でどんどん加速的にアイディアが出て来ます。
 IoTは実際に使ってみないと、本当の意味での使い道は分かりませんし、新しいサービスやビジネスモデルも思いつきません。北米や中国のメーカは既にそれを理解しており、先に進んでいます。
 とりあえず、まずは気軽に問い合わせるところからはじめていただきたいと思います。
 
本日はありがとうございました。最後に日本の製造業の方々に向けてメッセージをお願いいたします。
 
【橋本氏】
IoTプラットフォームは全世界に何百社とあります。シリコンバレーだけでも150社はあると言われているんですが、我々の最大の特長と言うのは非常に短期間でローコストでなおかつハイレベルのセキュリティを確保したものをすぐお使いいただけるようなサービスを提供いたします。ぜひお気軽にお問合せください。
 

 エイラネットワークス社はまだ日本に上陸したばかりではあるが、すでに世界では富士通ゼネラル社のエアコンにWiFiモジュールを搭載しインターネットにつなげた商品などもあり、今後も多くの日本メーカーが関心を寄せている。
 もちろんこれは大メーカーだけの話とは限らない。上記で挙げた米国の事例をみてもわかるように日本のベンチャー企業がアイディア次第で世界に向けてIoT製品をクイックリリースできる大きなチャンスでもある。
 IoT製品の開発に興味があるメーカーはまずはエイラネットワークス社の日本ブランチに問い合わせてみて欲しい。

 
 

【問い合わせ先】
Ayla Networks, Inc.
https://www.aylanetworks.com/
 カントリーマネージャー兼ストラテジックアカウント・ディレクター
橋本 力也
rikiya@aylanetworks.com