日本最大級のIoT機器展示・試用スペース、
IoT Future Lab.設立の目的と展望。

インフォテリア株式会社
IoT Future Lab.所長 田村 健氏
11月1日のオープンより盛況が続いたためなかなか取材のお時間をさいていただくことができませんでしたが、この度ようやく取材をさせていただくことができました。
今回はイフラボの施設の動画レポートと当施設所長を務める田村所長にインタビューをさせていただきました。
“つなぐ”をキーワードにIoTにコミットするインフォテリア
本日はよろしくお願いいたします。それでは、まずご存じない方のために、イフラボの運営会社であるインフォテリア株式会社様についてお話をお伺いしたいと思います。
【田村所長】
弊社は1998年にXML専業の会社として設立されました。現在主な製品としては二つありまして、ひとつはASTERIA(アステリア)というデータ連携の製品です。もうひとつはHandbook(ハンドブック)と言うモバイルでコンテンツを管理するサービスです。
その二つの製品の発売後にイフラボを設立されたということで、インフォテリアとしては現在はIoTに関して他にどのような取組をされていますか?
【田村所長】
今回、イフラボを設立したタイミングで、以前から発表はしていたのですけれどもIoT事業に参画するということで10月27日に発表いたしましたPlatio(プラティオ)という製品がございます。こちらはIoT製品と連携できるモバイルアプリケーションを作成できる製品です。
インフォテリアとしてのIoT戦略をお聞かせ願えますか?
【田村所長】
もともとASTERIA WARPという製品がシステム間のデータ連携というコンセプトのもとで開発されました。その中でどうしてもセンサーなどから上がってくるデータをつなぐということが無視できなくなりまして、ここ数年、研究開発をすすめてまいりました。その経過でASTERIA WARPの中で単にIoT化するのではなく、それを別の製品として、たとえばヒトとモノをつなぐPlatioであったり、今後リリース予定となるモノとモノをつなぐGravityであったりとセグメント化して開発にあたったということです。

(A図)
なるほど、この図(A図)を俯瞰してみるとよくわかりますね。企業の情報システムとモノとヒトの3点をつなぐということを考えた場合、それぞれの結節点にそれぞれのインフォテリアの4製品がピタリと当てはまるわけですね。”つなぐ”という言葉がインフォテリアの企業キーワードになっているんですね。
“つなぐ”をさらに発展させて考えたら、
企業と企業をつなぐ場としてイフラボという発想が生まれた。
インフォテリアさんとしてでも田村所長の私見でもよろしいですが、日本のIoTは今後どのように展開をむかえるとお考えですか?
【田村所長】
IoT自体はFAの時代からずっと製造業さんで取り組まれているとは思うんですね。昨今、AIの力を借りたり、あるいはセンサーのコモディティ化であったり、そういったところでお金のあるパワープレイヤーだけでなく中小企業さん、とくに町工場さんであったりが安価で気軽につくれるものが増えていくのではないかと考えています。
AmazonさんであったりMicrosoftさんからもIoTの使いやすいサービスが続々出ていますし、我々もそのような企業様と連携をとって、IoTの民主化と最近言われてますけど、もっと入りやすい世界を目指して、そのようになっていくといいなと思っています。
それでは本日のメインになりますがこちらのイフラボを開設された経緯などをお伺いできればと思います。
【田村所長】
ええ、各社さんからそれぞれ提供されているIoTプラットフォームはプラットフォームですが、その中身は全然違います。我々もデータ連携のプラットフォームとしてGravityを、モバイルアプリ制作のプラットフォームとしてPlatioを提供しています。
このようにIoTの業界はいわゆるセンサーをはじめとしたデバイスの部分を先端として、末端のクラウドまで非常にプレイヤーが多く、それぞれ各社でまったく違うプラットフォームを提供しています。
たしかに、おっしゃるとおりですね。

(B図)
で、現在はそれぞれの企業が自分の得意の分野からIoTにアプローチしている状況です。(B図)たとえばデータウェアの得意な企業はデバイスのことがわからない。逆にセンサーを得意とする企業はそのデータをクラウドでどう活用するかがわからない。
こういったところを我々のプラットフォームを使ってつないであげたいと考えています。
センサーだけやっている方々とクラウドを得意としている方々にはじつはなかなかマッチングする機会が無い。
ええ、そういう機会は少ないですよね。
【田村所長】
そういった企業様、特にスタートアップ企業様であるとかをつなぐ場にしていきたいというのが、今回、イフラボを設立した一番の大きな目的です。
それはすばらしい取組ですね。
【田村所長】
実際、IoT、IoTとはいって各社取り組んではいますが、1社ですべてをまかなうことができる企業は大企業でも一部に限られています。
業界全体で今のIoT化の流れを掛け声だけにおわらせないためには、やはりいろいろな企業がそれぞれの得意分野を持ち寄って協調することが求められていますよね。
我々としてはASTERIA WARPやHandbookといった製品を通じて比較的エンタープライズよりのエンドユーザーですね、
いわゆる使う側の方々とコネクションはありました。そういった方々がセミナーやミーティングスペースとして使ってくださる。そこへスタートアップの方々が試作品を飾ってくださいというところでまた、接点が生まれる。
そうですねスタートアップ企業のショーケースとして機能ですね。
【田村所長】
あとは展示品に関しましては基本的に動く状態で展示しておりますので、それを実際に使って自社の製品とつないでみるとか
そのような取組も今後、積極的に行っていきたいと考えております。
それはアプリ開発者にとってはありがたいですよね。さまざまなIoT製品がありますけど、すべて購入するにはコストがかかります。
【田村所長】
ほかにも数千円くらいののものでも大きな企業様になると購買のプロセスが複雑だったりして稟議がおりるまで時間がかかったりもしますよね。私も経験があるのですが、これが結構大変なんです。
大企業は資金が豊富と思いきや、そういう問題はありますよね。それでは次の質問になりますが、開設されたのは10月の27でしたっけ?
【田村所長】
そうですね。グランドオープンとしては10月の27日になります。
オープンされてからのここまで手ごたえはいかがですか?
【田村所長】
非常に多くの企業様、特に大手の会社様から問合せがございました。 もちろん、それはありがたいことなのですが、 実際には我々とビジネスをなにか一緒にやっていけるような企業様がきていただけることを今後は期待しています。
この場からから実際に出逢いがあって、大ヒット製品が生まれるようなことがあるといいですよね。
【田村所長】
実際、こちらに展示されている製品をおつくりになったハタプロさんという企業は、
オープンしてお問合せをいただいて、Luminous craft(ルミナスクラフト)を展示していただけるということにつながりました。
すでに事例が生まれているわけですね。それでは、こちらの施設を使用する際の手続きとかを教えていただきたいのですが。
【田村所長】
Webサイトに入力フォームがございますのでそちらからお問合せいただければと思います。
料金はいくらほどかかるのでしょうか?
【田村所長】
基本的には現在のところ(※2016年12月)、すべて無料でお使いいただけます。
それはすばらしいですね!それでは、最後になりますが、今後、予定されているセミナーやイベントなどがございましたらご紹介ください。
【田村所長】
現在は、ありがたいことに見学のお問合せが非常に多くございまして、それに対応するだけで時間がとられておりますので、グループ見学会のようなものを開催できればと考えております。
その流れが一巡したところで、皆様に知っていただいて来年の早い時期にイベントやセミナーなどが開催できればと考えております。
本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。

IoT Future Lab.展示スペース
インフォテリア株式会社
https://www.infoteria.com/jp/
IoT Future Lab.
東京都品川区大井1−47−1 NTビル 1F
http://iot.infoteria.com/?_ga=1.9423541.1887982114.1477901052