3DCADデータをそのままVRで共有レビューできる
「バーチャルデザインレビュー」体験記。
目の前に現れる3D映像を前にワイガヤ設計で設計効率アップ。

 

■CADデータをVRで再現する「バーチャルデザインレビュー」とは?

 VRを利用してCADの3D設計データをレビューすると言う発想そのもの自体は目新しいものではないかもしれない。しかし、従来では導入コストも高く、また大きなモニターやスクリーンを複数台用意したり、そのために広い会議室を用意したりと、労力の割には思ったような臨場感や効果を生み出すことは難しいこともあり、一部の大手メーカーだけの話に過ぎなかった。
 サイバネットシステム株式会社(以下サイバネット)はこれらの問題点をクリアした「バーチャルデザインレビュー」を発表したということで取材に出かけた。
 今回、多忙の中、快く取材に応じていただいたのは、同社ITソリューション事業本部データソリューション事業部長の加苅執行役員と広報室の栗山室長のおふたりである。
 

■HMDは話題のHTCVive。臨場感も操作性も違和感なし。

 システムの実機に使うのは、話題のHTC Viveとあって期待が高まる。HTC ViveのHMDはごつい見た目の割には軽く、装着した感じも圧迫感がなく自然なつけ心地だ。
 着けたとたん、早速、目前にヴァーチャル空間が拡がった。
 栗山氏に[j1] 左右のコントローラーを手渡していただく。自分の手は当たり前ながら見えないので、コントローラーを握るとそれは宙にふわふわと浮かんでいる。左のコントローラーの周囲には透明なキューブ形状のダッシュボードがありここに様々なアイコンが表示されている。右手のコントローラーの先端からレーザーポインターが出ており、この先端を左手コントローラーのアイコンに当てて、ツールを選択する。ちょっとしたゲーム感覚で操作はわかりやすい。
 

■思った以上の臨場感で設計者の意見を取り入れた便利な機能が嬉しい。

 目の前の床にはボイラー状のマシンがめり込んだ状態で表示されている。
 加苅氏の指示に従って上矢印のアイコンを選択してトリガーを引くと、めり込んでいたマシンが上に次第に浮き上がってくる。次にハサミのアイコンを選んでマシンにコントローラーを向けると、ケーキをナイフでサクッと切ったように断面形状を見ることができる。
 断面を見るには他にも方法がある。直接マシンに頭を突っ込むのだ。物理的にそこに実体がないことはわかっているものの、なぜか恐る恐る動いている自分に苦笑する。しかし、この方法ならネジや穴の形状が文字通り目の前で仔細にレビューできる。
 気になる部分にはテキストデータを入力した付箋を貼っておくことができるので、レビュー後に設計修正を行うにも便利だ。
 今度は、アイコンのスパナを選択してみると右手のコントローラーはスパナに変化した。これでボルトのヘッドにスパナを近づけると「コツン」という衝撃が手に伝わる。これが当たり判定機能だ。実際に体感を伴って幅などを確認できる。

 

スパナを当てるとコツンと反応する「当たり判定機能」

 

■見た目だけでないワイガヤ設計のための開発思想。

 もともと、「バーチャルデザインレビュー」は設計データの完成を確認することが主目的ではない。
 設計途中にエンジニア達が設計データを共有しあうワイガヤ設計を念頭に置き、開発されたものだ。
 加苅氏は「ワイガヤで職場のコミュニケーションを促進することが、若手設計者のスキルを大きく成長させることにつながる」と言う。さらには「無駄な試作品をつくるコストや多くのレビュー者の目を通すことによる品質の向上や、遠隔地でも同じ空間を共有できる」など時間やコスト、品質の向上といった面からも大きな効果が期待できると言う。
 このように複数人で利用する際には他者はアバターで表示されるので、みんながどこから見ているのかもわかる。さらに空間上の任意の場所にPDFファイルを貼り付けておくことができるので、設計図や仕様書などさまざまな書類を共有しながら検討できる。
 レビューできる対象CADソフトは大手ソフトのほとんどが網羅されている(*1)。さらにデータ変換なしで利用できるのでレビュー中に気になった部分を即修正して、すぐに確認できるというのも嬉しい。
 以前であれば、数千万円はくだらないであろうこのシステムが500万円強で手に入ることを考えると、
 そろそろROI的にも十分検討の余地が出てきたのではないだろうか?
『百聞は一見に しかず― されど 『百見は一験に しかず』を文字通り体験できる貴重な時間だった。
 今後も、サイバネットでは体験セミナーを予定しているとのことなので、気になる設計者はぜひ一度体験して欲しい。
 

*1)対象CADソフト 

CATIAV5、SolidWorks、Creo/CreoView、ProENGINEER、NX、VPS、XVL Player、Naviworks、ArchiCAD、Showcase、3dsMax、Mayaなど。

その他ファイルフォーマット(.obj、.fbx .stl)にも対応。

 

【バーチャルデザインレビュー主な機能一覧】

・協調作業支援機能

・任意断面の作成

・アバター間での付箋やドキュメントの共有

・文字や音声でメモを残すスマート付箋機能

・図面や仕様書などのドキュメントの表示

・作業記録の保存、再生

・ダイレクトVR機能

・当たり判定機能

・2点間の距離計測

・拡大、縮小、回転、移動などの幾何変換

 

【システム構成】

・HMD(Vive)×2セット

・PC/モニター×3セット

・ソフトウェア「バーチャルデザインレビュー」

 

【推奨マシンスペック】

・OS:Windows10(64bit)

・CPU:intel Core i5 4540と同等またはそれ以上

・メモリ:8GB以上

・グラフィックス:NVIDIA Quadro M5000以上 P4000以上 GeForce GTX970以上

 
バーチャルデザインレビュー問い合わせ先

サイバネットシステム株式会社
データソリューション事業部
AR/VRソリューション室
〒101-0022
東京都千代田区神田練塀町3番地
富士ソフトビル
TEL03-5297-3799 FAX03-5297-3646
Email: cnc-info@cybernet.co.jp
URL: http://www.cybernet.co.jp/ar-vr/products/vdr/

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